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VOICE vol.77

倉重 智哉

Tomoya Kurashige

まずは……ご結婚おめでとうございます。式はもう済んだの?

あ、ありがとうございます。4月のはじめに表参道で。その日のうちに届け出をして、翌週が合評会。で、その翌週にフランスに2週間くらい行ってきました。もう2か月くらい経ちますけど…まあでも、あんまり変わらないですね。ずっと夫婦状態だったのが、公式に夫婦になっただけ、って感じです。

以前から一緒に暮らしてたんだよね。奥さんは写真やるんだっけ?

やらないんです。が、カメラだけはなぜかたくさん持ってるんですよ。トイカメラとか、ピンホールカメラとか。この前も僕が新婚旅行用に新しいカメラを買ったら、「じゃああたしも買う!」って(笑)でも彼女はここの生徒ではないし、写真も習ったことはないので、撮り合うとかそういう感じじゃないですね。

 

まあ、そのほうがいいこともあるよね…。

そうなんですか…?(笑)でもプリントはよく見てもらってます。去年くらいから、うまく行かない時に「どお?」って。そうすると「うーん、ちょっと眠いね」とか(笑)。でも彼女に指摘されたところを直してプリントしていくようになったら、授業でも中村先生に「けっこうプリントよくなったな」とか言われて。

最近は内容のことも突っ込まれます。「これ、どうして撮ったの?」「おもしろくないね」とか(笑)

手厳しい(笑)奥さんを撮った写真が多いよね。

そうですね。それまでも時々撮ってましたけど、去年の7月に結婚を決めた頃、先生から「これからもっと撮りまくれ!」と言われまして。それからは意識的に撮る機会を増やしましたね。

写真は、彼女と知り合う前から撮ってたの?

いえ、まったく。一緒に暮らし始めた頃に人生で初めてのカメラを買いました。何か新しいことを始めようと思ったんでしょうね。で、ちょうどその頃テレビで流れていた、キムタクが「やっぱいいよ、ニコン」って言うニコンのCMを見て。「いいよね、ニコン!」って(笑)

もともとニコンは知ってましたけど、そう言われちゃったらねえ(笑)で、そのままニコンのD80か何かを買って、写真を撮り始めたんです。でもその時はとくに彼女を撮っていたわけではなくて、浅草行ってお祭り撮ったり、旅に出て風景撮ったり。

じゃあ写真を始めたきっかけは、純粋にカメラいじってみたい、という感じ?

 

そうですね。最初から一眼レフでしたね。でも買ってから3、4年経った頃に仕事がすごく忙しくなっちゃって、カメラどころじゃなくなってて。あんまりにも忙しくて辛かったんで辞めようと思ったんですけど、取りあえず少し休め、って会社に言われて。で、時間ができたので本格的に写真やろうかな、と思って探して、この教室の門を叩いたというわけです。

でも、デジカメ使ってたわけでしょ? 中村教室はフィルムから始めるじゃない(注:2012年当時)。何でここに決めたの?

いくつか説明会回ったんですけど、中村教室の説明会に来た時、先生の「美意識を捨てる」みたいな話を聞いて「何言ってるんだろう!?」って、気になったんですよね。当時は、カメラの使い方は多少は知っているけれど、何を撮っていいかがわからなかった。でも、ここなら何を撮るべきかわかるかもしれないな、と思ったのがきっかけです。

実は平行してもう一か所写真教室に通っていたんですけど、そこはカメラマンの養成が主で。スタジオワークの授業とかもおもしろかったんですけど、最初に目指すのがスタジオマンだったりして、ちょっと違うかな? と。

プロカメラマンを目指すならそういう道もあるんだけどね。でもすでに仕事を持っているわけで。

 

機材を使えるようになるのはいいんですけど、お客さんありきのこととなると、今の仕事と変わらないなあと思って。で、しばらく通ったあとこの中村教室だけにしました。何か、「写真家を目指す」というイメージが良かったんですよね。何より、趣味の時間が持てるのは久しぶりだったし、カメラをいじるのは楽しかったですね。

じゃあ写真を始めたきっかけは、純粋にカメラいじってみたい、という感じ?

 

そうですね。最初から一眼レフでしたね。でも買ってから3、4年経った頃に仕事がすごく忙しくなっちゃって、カメラどころじゃなくなってて。あんまりにも忙しくて辛かったんで辞めようと思ったんですけど、取りあえず少し休め、って会社に言われて。で、時間ができたので本格的に写真やろうかな、と思って探して、この教室の門を叩いたというわけです。

 

倉重さんはいま中村ゼミでしたよね。

 

半期ゼミ取って、この4月から1年間、新たに。もう、最初は緊張しましたね~。ドキドキしているのと、自分はダメだ…と落ち込む気持ちとで、他の人の作品が最後まで見られないんです(笑)でも「これじゃいけない!」ってすごくやる気になります。授業終わった直後が、いちばんモチベーションが高い(笑)「帰ってプリントするぞ!」って。

 

そうなんだ(笑)でも大事だよね、そういうの。

 

家でプリントができると、やっぱりやる気が起きます。へとへとになったらそこで終わればいいし。それがデジタルのいいところですよね。初期投資がちょっとかかりますけど。

 

まあでも、暗室作るのと同じだからね。一度態勢が整えば、あとは続けてやれるわけで。

 

そうですよね。新しいプリンター欲しいなあ…とか思っちゃいますけどね(笑)でももう結婚もしたし、計画的に買おうと思ってはいますが。

 

その意味でも結婚して良かったね。衝動買いを減らせる(笑)

 

確かに(笑)結婚していろいろ変わりましたよ。お金の使い方もだし、正直、写真も変わったと思います。

 

どう変わった?

 

結婚を決めた頃から今後のことを話すようになったせいか、彼女に向き合うようになったと思います。で、いっぱい写真も撮るようになって、彼女もだんだん慣れてきて。最近は働きかけを特にしなくても、いい感じに撮れる気がします。話しながら撮っていても、ふとした「間」を作れる。そのへんがやりやすいですね。

 

相手に慣れてもらうのも大事だよね。それがわかってくると、慣れていない人を撮るのがいかに大変かもよくわかるし。僕がデジタルプリントコースで写真を見てた時も、確かに奥さんの写真が一番面白くなりそうな感じだったよね。ちょうどタイミング的にもすごく良かったんじゃない?

 

そう思います。彼女もだんだん撮られるのが楽しくなってきたみたいで。実はお互い撮られるのがあんまり好きじゃなかったんですけど、僕が執拗に撮っていたおかげで(笑)、慣れてくれたみたい。やっぱりうまく撮れると向こうもうれしいんですよね。僕もちょっとずつ撮ってもらったりしてます。でも、あんまり慣れられてもな、と思うので、最近は向き合わない感じのも撮ったり。

 

こちらから“一方的に見つめる”写真が入ってくると、また世界が広がるよね。楽しみだね。

 

だんだんプリントも安定してきて、撮る物もわかってきたような気がするので、ちょっとそこを抜け出したいなあ、という気持ちもあります。

 

奥さんをストレートに撮るのがうまく撮れるようになっているなら、遊びというか、振り幅のある写真を試してみるのもいいかもね。倉重さんの視点のバリエーションを見せるというか。でも、そこにはやっぱり奥さんの協力が必要だね。

 

最近、ノーメイクだと却下されるんですよ…。下着姿もダメ。それはわかるんですけど、「バスタオルもダメ」って。「バスタオルってわかんないよ!」って説得したけどNGでした。去年の10月の合評会に出す時に、軽くケンカしましたからね。「なに、コレ出すつもりなの!?」みたいな(笑)

 

許可が下りなかったんだ…(笑)

 

「わかった、出さない。でも俺は撮り続けるからね!」って(笑)

 

そうだね、人に見せる見せないは別にして撮り続けたほうがいいよ。作品を作るためってこともあるけど、記録でもあるから、家族の。バスタオル姿はまだNGかもしれないけど(笑)、頑張ってね。

 

頑張ります。まずはタオルだけ撮ってみようかな…(笑)

 

 

聞き手:小宮山桂

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