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VOICE vol.78(特別編)

木下 マリ子 / 木下 雅博

Mariko Kinoshita / Masahiro Kinoshita

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〜 木下マリ子 〜

1975年 東京生まれ

2001年 東京綜合写真専門学校卒業

2001年 写真表現中村教室入社(事務局/Web 担当)

2012年 他界

木下マリ子 写真展 「日録 ねこときんちゃん そしてわたし」(2013年3月2日(土)~3月24日(日))写真展の開催について、ご主人の木下雅博さんにお話をお聞きしました。

マリ子の写真展が実現して、中村先生、小宮山君、増馬君にはお世話になりました。素人の私ではやりたくてもできないことでした。

 

撮影後の処理について

 

今回の作品は全てデジタルです。デジタルを始めたのが10年前くらい。それ以前はずっとフィルムで、専門学校の学生の時はよく現像をやってました。フィルムの頃はタンクを一緒に振らされたり、暗室も手伝ったりして。アナログって過程が面白いですよね。像が浮き上がってくるのを見ると「すげぇ~」と思います。

デジタルになったのは結婚してから。デジタルって過程がパソコンになるでしょ。マリ子は「まず家庭が一番」と思ってくれてたから、写真をやる上でふたりの時間を大事にしてくれて、自分だけ休みの時にプリントとか作業をしていましたね。なので家に帰ったらプリントが並べてあって「どう?」ってよく訊かれました。限りある時間の中で作品を作るのはデジタルの方が良いかもって思ったけど、でも用紙を何種類も比べてみたり、デジタルも奥が深いですね。

日常の生活の中での撮影

ほとんど日常の中で写真を撮ってましたね。わざわざ写真を撮りに行く為だけに出かけるってことはほとんどなくて、何かのついでみたいな感じで撮ってました。一緒に行った買い物のついでに撮る、みたいな。

ただ近所で撮れなくなった時期には、毎週末「池袋」から一駅区間を歩いてみるなんてこともしていました。自分も街を見るのが好きだから、ほとんど一緒に歩いてマリ子の撮影する様子を見ていましたけど「こんな所にこんなお店があったんだ」みたいな発見もあって楽しかったし、散歩デートみたいなもんでしたね。だから今回の写真も日常の中で本人がワクワクして面白いって思ったものを撮った写真だと思います。

写真展のタイトルが「ねこときんちゃん そしてわたし」になってますが

普段の生活の中で写真を撮ることが当たり前で、撮りたい時に勝手に撮ってる。それが日常なので気にならなかったですね。例えばお風呂に入っていたらいきなり扉が開いてパシャって。ただいつも写っているのは自分だから、もっとマリ子との写真があった方が良かったんじゃないかと思います。

写真展について

今回の写真も1枚ずつは見ていたけど、こうやって組むというか並べてみると、マリ子が見ていたものや興味が何であったのかが確かめられて、撮影の時のことがよみがえってきます。やっぱり写真って奥が深いですね。だから面白くも大変なんだろうけど。マリ子も壁にぶつかって父のようになれないって悩んでいた時期もあったけど、写真を撮ることは止めずに撮り続けていましたね。写真を撮ることが本当に好きだったんだろうなぁ。だから将来きちんとした形で発表したいと目指して頑張っていたんだと思います。

 

中村教室に勤務して

 

同世代の生徒さん達と交わって色々と影響を受けて「こうやってみよう」とか「こうすればいい」とか、中村先生に教わること以外も大切だったのかもしれないですね。学生が写真の勉強をする上で不安だったり落ち込んだりしても、みんなで写真のことでもくだらないことでも話せるコミュニティーを用意したかったんじゃないですかね。

いろんな人との関わりから学べることも多いんじゃないかと思います。人との交わりがあって「マリ子らしさ」と言うか、自分の個性を大事にしたいと考えていたのではないかと。またそれが役割だと自覚していたのだろうと思います。

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