VOICE vol.88
神前 貴洋
Takahiro Kousaki
旅に出かけて撮ることが多いようですね。
そうですね。平日仕事が忙しくてあまり日々の中で写真を撮れないので、休みになると旅というかどこか出かけて撮ります。伊豆にiZooという動物園があるんですが、そこは動物に触れたりできて面白かったです。
あと、ちょっと前に徳之島に行ってきました。徳之島は祖母の出身地なんですけどこれまで行ったことがなくて、一度行ってみたいと思っていました。そんなに観光地って感じでもなくてゆったりとしていいところでした。
水に関する写真が多いような気がしますが、何か意識して撮っていますか?
言われてみると‥。今まで特に意識したことはなかったですね。水と言うより、単純に空が広くて開放感のある場所が好きなんで、街や山よりは海や川辺になるのかも。
ちなみに使っているカメラは?
リコーのGRとフジのX-E2の2台持ちです。それぞれ28㎜と35㎜の画角なので、被写体によって使い分けたり、両方で撮ったりしてます。
みんな大好きGR!中村教室ではおなじみのカメラです。
2台持ちですか。焦点距離も違うし、カット数が多くなりません?
はい。1つの被写体を10枚以上は撮りますね。いろんなの方向から撮ったり、レンズが広角だから高さを変えてパース違いを撮ってみたり。微妙な手ブレやピンボケに後で気づくのが嫌なので、自分でよしと思ってもそこからさらに何枚か撮るようにしています。
あと、変な植物とか特に気になる被写体は、気付いたら大量に枚数撮っていたりすることも(笑)
なるほど(笑)
ところで写真を始めるきっかけは何でしたか?
考えてみると家族みんな写真好きだったみたいで、父は僕が幼い頃からよく撮っていたし、母もマイコンパクト持っているくらいで。高校を卒業した時に祖父にペンタックスのMEという一眼をもらって、近くの川べりで撮り始めました。せっかくカメラを持っているということもあって、大学で写真部に入部しました。
大学の写真部ではどんな写真を撮っていましたか?
今とあまり変わらないですね。いわゆるキレイなものは撮ってなくて、人が普段あまり見てないものを撮っていました。撮り方は適当でしたけど。
どうして中村教室へ?
ある日体調が変だなと思って病院行って検査したら、かなりまずいってことになっていて、半年くらい入院したんですよ。入院中は、1ヶ月はほぼ寝たきりでそれが終わると1週間外出できる、そしてまた1ヶ月寝たきりというのを繰り返して。1ヶ月の寝たきりが終わって病院から出た瞬間、外がやたら綺麗なんですよ。単純に、病院って光があまり感じられないし、気分的な開放感のせいかもしれないんですけど。それでまたカメラ持って散歩しながら写真を撮り始めました。
で、退院したら、ちょっと楽しいことやろうと思っていろんな教室をネットで調べて、結局一番近かった中村教室に来ました。
入ってどうだった?
郷に入れば郷に従え的に言われた撮り方をしようとやっていたので戸惑いもなかったですし、とにかくやってて楽しいですね。今まで意識していなかったものに改めて注目するというのも、そこから撮影やプリントで試行錯誤してどうなるのかなってやるのも楽しい。
自宅に暗室を作っていたと思うけど、どうしてデジタルにしたのですか。
大学の時使っていたのが一式あったので暗室は作れたんですけど、もう基礎の時点で批評の前夜は徹夜でプリントして授業に臨むようなっていて。ゼミナール初級になって量をこなさないとダメなのに手間がかかりすぎて続けていけないと思ってデジタルにしました。
撮影もプリントも技術の部分は訓練だと思うんです。1枚1枚手をかけてしかもたくさんこなさないと。がんばりって前向きなのと、耐え忍ぶのがあると思うんですけど、プリントはまさに耐え忍ぶ方だと思います。客観的に淡々と。どちらかというとそういうのは得意なのでプリントも嫌じゃないですね。
今後はどうしたいですか。
写真展にするのか、公募展に出すのか。とにかく何か形に残るようなところを目指そうとは思っていますが、今のところはまだニュートラルって感じですね。まずは目標をはっきりさせたいです。
神前さんにとって写真って何だと思います?
う〜ん‥ほんと単純に楽しいことです。娯楽というか。子供の頃遊びでやった宝探しみたいなのをいつもやっている感じですね。
我慢は得意という神前さん。はい、そんな気がしてました(笑)
聞き手:増馬