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VOICE vol.82

高柳 拓

Taku Takayanagi

写真を始めたきっかけはなんですか?

 

一眼レフカメラ自体に興味があって、買おうと思ったんです。それで買う前に使い方を教えてくれるところをさがしていたら、たまたま中村教室をみつけて。

 

中村教室に入ってみてどうでしたか?

 

う〜ん、謎が多かったです。そもそもカメラの扱い方とか基本的なことを勉強したら、あとは習うものじゃないと思っていて…。だから最初の入門コースでとりあえずの目的は達成したので、次の基礎コースには進まなかったんです。でも…道具は買ってあるし、やっぱりこのままやめるのはもったいないかなと思って復帰して今に至ります。

 

もともとデジタルに興味があったということでしたが。

 

はい。デジタルプリントコースも受講したんですけど、デジタルをやってみたら本当に凝りだすとキリがないというか、終わりがないというか、どこで完成にして良いのかわからなくなってしまって……。そういうのもあってフィルムに戻りました。

 

教室の暗室を借りてプリントしてますが、自宅暗室は作らないのですか。

 

教室へ来るまでは遠いし荷物は重いし、ほんとにいつも今日はやめようかなーって思いながら来てます。着くまでずっと「もう暗室作ろうかなぁ…」って。でも自宅に暗室作っちゃっていつでもできると思うとたぶんやらなくなるんですよ。レンタルビデオ借りてもいつも全部見終わらなくて、ものすごく延滞したりするので(笑)

それに教室の暗室来ると他の人も作業しているわけで。家でやったらだらだらすると思います。他の人がやっている姿を見て、自分を奮い立たせないと。そんなわけでやっぱり自宅暗室は向いてないんですね。

 

中判のカメラで撮影していますね。

 

授業で中村先生にプリントが良くないって指摘を受けて、どうすれば良いのかわからなかったのでとりあえず中判にしたら良くなるだろうと……。全くそんなわけはなかったんですけど、むしろ中判になると35㎜の時よりプリントの精度が問われてくるし。ゼミの大日方さんや岡田さんのプリントをみていたら、このままで良いのかと思うところはあります。お二人はデジタルなんですけど、暗室でやるならもっと厳しくやらないとって。やっぱり自宅に暗室作ろうかなぁ。

 

カメラは何を使っていますか。

 

フジのGF670という中判カメラで、6×6と6×7に切り替えができます。でも別に切り替えられるからそれにしたとかじゃなくて、単に説明書がついているものを探していてこれになっただけなんですけど。今撮っている正方形の画面にもこだわりとかはなくて、6×7よりたくさん撮れるから6×6で撮ることにしたくらいで。正方形って独特で難しいとかききますが、違和感を感じたことはないので意外と自分に合っていたのかもしれません。

 

仕事と両立しながら撮影していて大変なことは。

 

家にいても写真が撮れる人ではないので旅でも散歩でもとにかくどこかに行かないと撮れないんですけど、休みの日は体が疲れていてあまり出かけたくないんですよ。だらだらしたいのをムチ打って撮りに行ってます。行ってしまえばいいんだけど、行くまでは辛い辛いって思いながら出かけます。大変です。

 

どこに行くことが多いですか。

 

家から近い内房か外房に行くことが多いですね。あと秘湯巡りが好きなので、巡る先々で撮ったりします。でも最近は行っても前みたいに撮れなくなりました。前はそのときの見た目とプリントが違うところが面白くて撮っていたと思います。プリントしてみたら、もしかしてって思って。だけど最近は撮る前にもう出来上がった感じが想像できるようになっちゃって、それが理由だと思っているんですけど。

 

ここに写っている人たちはどういう人たちですか。

 

行った先で出会ったよく知らない人たちです。この人を撮りたいなと思った人に声をかけて撮らせてもらいます。撮りたいと思った人がいてもなかなか声がかけられなくて3回通ってようやく声をかけれて撮らせてもらったこともあるし、初め断られて雪かきを2時間手伝ってそれからもう一度お願いしたこともありますね。そうまでしてどうしてその人を撮りたいと思うのかはわかりませんが……。普段の自分は知らない人に声をかけるなんてことはしないし、そもそも他人にあまり興味がないんだと思います。

ただカメラを持っているとそれが動機になるのか、不思議と声をかけて撮らせてもらおうと思うんです。話しかけて意気投合したりするとほんと面白いと思います。ひょっとしたら私にとって写真は他者との接点なのかもしれません。授業で撮った写真の批評を受けているとだんだん写っているこの写真にも自分自身にも関心が湧いてくるし、自分の中で発見というか、自分ってこういう人間なんだと気づくこともあるから。

 

今後については。

 

私の場合授業があるからやれているところがあるので、まずはこのまま続けていきます。そして授業に出てもっと腕を上げていきたい。発表するとかそういうことは、その先にあるものだと考えています。

聞き手:増馬

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