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VOICE vol.81

小野 美智代

Michiyo Ono

教室に入る前に写真を撮っていましたか。

 

はい。写真は好きで撮っていました。家族の写真が中心で。旅行に行ったときは父のヤシカのカメラを使ったりして撮っていました。 父が写真をやっていたので、私の幼い頃のアルバムは全て父の手作りなんです。今日、家にあったのを持ってきました。

父はどこかで学んでいたと言うわけではなく、趣味としてやっていたみたいです。撮影からプリントまで全て自分で作業して。押入れでプリントしていました。薬品の臭いがしていたのを憶えてます。

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少しセピア色になった写真1枚1枚にその時のことをコメント書きしてある。

 

 

なぜ、写真を学ぼうと思ったのですか。

 

本気で写真をやってみようと思ったんです。それで3箇所くらい色々なところにお話を聞きにいって、その中の一つが中村教室でした。私、説明会に参加したのにモノクロで撮るなんて知らなかったんです。始まってみて「あ、モノクロなんだ」って。その時は思っていなかったけど、今こうしてこのアルバムをみたりしているとやっぱり父の影響があったのかもしれませんね。なんかめぐり合わせみたいなものがあったのかも。

 

通ってみてどうでしたか。

 

学生時代、美術系の学校に行っていたのでそこで黄金比などについても学んだんです。そういう方法論的?なことに当てはめていくと写真も上手に撮れると思っていて。そうしたら最初の頃の授業の中で中村先生が「構図を作って撮るな。壊せ」って話をされて、もう今まで学んできたことが全部ひっくり返されてすごく戸惑いましたね。

 

どのようにして撮っていますか。

 

普段の生活の中で写真を撮るというわけじゃなくて、どこかに出かけて撮っています。遠い時もあればすぐ近所の時もある。 私にとって写真は日常の生活ではないことが大事なんです。撮ってるときはそのことに集中しているからいろんなことを忘れることができて、その時間がとても大切なんです。カメラ持ってるときってそういう時間なんだと思います。

 

この写真は九州に行った時の写真だということでしたが、行き先はどのようにして決めているのですか。

 

特にここに行きたいからという理由はなくて、行ける日にちが決まったらいろんなチケットを調べて安いなっていうのを買って行くということが多いですね。 写真撮るときはひとりじゃないと思うように撮れないから、家族と一緒に旅行する時は私だけ少し早めの現地に行って撮影して後からみんなと合流したりしますね。

 

入門からずっとモノクロで銀塩で撮っているのですか。

 

ええ。カラーもいいなって思ったこともあったけど、でもやっぱりモノクロの諧調が好きなんです。学生時代の先生が「究極の色はモノクロだ」っておっしゃっていたことがプリント作業をしているとわかるような気がするんです。きれいなプリントの諧調の深さをみると自分の写真も同じように焼きたくて。好きな音楽をかけながら家の暗室にこもってプリントしてます。やっぱり暗室作業が好きなんですよね。なにかものを作っているという感じがして。

 

今後はどのようにしたいですか。

ずっと撮り続けること、ですね。 無理に撮るのは嫌だから、自分に合ったペースでずっと撮っていくこと。 元気なうちは撮れること自体が幸せだと思うし、旅にいけることもそう。 この日々を大事にしたい。 でもひとりだけでやっていくのはちょっと難しいと思うから、教室に来てみんなの写真を観て刺激を受けながら続けていきます。

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聞き手:増馬

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