VOICE vol.76
上坂 怜夫
Satoo Uesaka
上坂怜夫 写真展 『My Generation』
新宿ニコンサロン
2011年8月23日~8月29日
先日の個展開催、おめでとうございました。いかがでしたか?
どうもありがとうございます。色々なご意見を頂いて勉強になりました。たまに怒られるというか文句というか、厳しいご意見もありつつ…。でもいつも中村先生から厳しいご意見を頂いているので、そこはもう慣れているというか(笑)むしろ中村先生に比べたら甘いぜ、と。
わはは。
でも教室に来てなかったら多少落ち込んでたかもしれないです。独学だとなかなか直接面と向かって文句言われる機会ってないじゃないですか?
そういう意味では普段から先生に直接プリントを見てもらうのって大事だなと思います。作品をつくるペースもできるし、何より精神的な部分も鍛えられますし(笑)
確かに批評を受けてるとタフになるよね。多少のことじゃへこたれない(笑)実は誰に写真を見てもらうかってかなり大事なんだけど、独学だとなかなかそういう専門家に見てもらう機会もないですしね。
ないです。それが教室に来た理由でもあるんですけど。
そうか。そういえば上坂さんは個展の開催が決まってから教室に来てるんですよね?しかもゼミナール初級から。かなり珍しいケースなんですが、どうしてまた個展までやる人が教室で勉強しようと思ったんですか?
自分の写真に今ひとつ確信が持てなかったんです。もちろんそれなりに自分の写真は良いと思うし、色々なコンペは通るんですけど…、。本当にこれで良いのか?という感じで。それでちゃんと写真を見てもらいたくて、仕事をしながら写真の勉強をできる所を探しました。
あ、でもきっかけは小宮山先生なんですよ。
あら、まあ。それはそれは。ありがとうございます。
先生のHPでポラロイドの作品を見てこれは良いかもしれない、と。それで説明会に参加して中村先生に写真を見てもらったんです。そしたら中村先生がすごく楽しそうに「よし、早く見よう見よう」という感じで、先生は本当に写真がお好きなんだな、っていうのが伝わってきて(笑)
その後お話もして頂いたんですが、正直わからない部分もあって…。そのわからなさが妙に気になって、これはこのお話の続きを聞かなきゃいけないと思ったんです。あ、でもゼミナール初級からなのは単にスケジュールの都合ですね。実は振替制度のコトを知らなかったんですよ(笑)知ってたら入門からでも良かったんですけど。
そうなんだ(笑)ちなみに教室に来てから何か変わりました?
そうですね、まずは人物を撮るのが以前より丁寧になりました。きちんと細かく観察しようという意識が強くなったというか。あとはプリントに対する意識ですかね。ハイライトとかシャドウのディティールとか、上手い人のプリントを見るのはすごく参考になります。あと逆に驚いたのは「寄り」の写真が多いことですね。
ああ、それは入門と基礎コースでは「寄り(凝視)」から撮るからですね。そこを飛ばして受講すると確かに驚くかも。簡単に言うと技術的な段階があって「引き(眺望)」の写真は難しいので、まずは「寄り(凝視)」の世界から入りましょう、ってことなんですけど。
ああ、そういうコトなんですか。いやー、みんな寄ってるのでちょっと戸惑いました。自分も寄らなきゃいけないんだろうか、とか(笑)その辺の被写体に対する距離感というか空間に関してはあまり以前と変わらなかったので。
その方が珍しいんですけどね(笑)じゃあ元々かなり撮ってたんでしょう?
日録というか、写真を撮ることは生活の一部みたいな感じですね。たまに受講をお休みすると撮れなくなるみたいな話があるじゃないですか?自分はそういうのはないと思います。今まで通り撮る続けるだろうな、と。そういう意味ではようやく自分に合うものが見つかったので、これを大事にしたいと思っているんです。
今後については?
そうですね…、最近はナチュラというコンパクトカメラを買ったのでそれで撮ってます。中判のペンタックスの67とかハッセルを持ち歩くのはちょっと疲れちゃって…。でもなんて言うか、一周回って基本に戻ってきた感じですね。35ミリで、白黒で、フットワーク良く、という。あらためて視覚の訓練してる感じです。
たしかに久々に白黒やると「おー、訓練してるぜ」って感じしますよね(笑)じゃあ、しばらくはナチュラで撮って、時期をみていずれまとめる感じ?
そうなると思います。ただ実は仕事の方ではいよいよデジタルカメラを使わなくてはいけないので、デジタルで撮るというのも考えているんですけど…。両方ってのは難しいですよね?
う~ん…。基本はどちらかだと思います。2台持ち歩いても結局メインで使うのはどちらかになるんですよねぇ。だからあんまり意味がないというか、サブはあくまでサブなので上がりもそれなりですよね。
やっぱり…。そうですよね。じゃあ、しばらく仕事の写真のコトは増馬さんに聞くことにします(笑)
うん、それが良いんじゃないでしょうか(笑)
聞き手:小宮山桂